PALE WAVES

【SUMMER SONIC 2019 TOKYO LIVE Report 】
8/16 (FRI) 14:50〜 SONIC STAGE
 

ティーンを代弁する歌と、眩いほどのポップネス

 

2年連続のサマソニ出演となったペール・ウェーヴス。開演前からファッションコンシャスなキッズたちが急ぐようにステージ前方へ詰めかけ、SONIC STAGEはあっという間に人で埋めつくされていた。リード・シンガーのヘザー・バロン・グレイシーは、「17」と書かれたシャツにレザージャケットを羽織り、ブーツカットという出で立ちで登場。バンドのトレードマークであるゴス風の真っ黒なスタイルはもちろん健在だが、ティム・バートンの映画から飛び出してきたようなその姿には、重々しさよりもキュートなゴス・ガールといった雰囲気が漂う。
 
ステージの幕を開けるのは、バンドの中でも最もキャッチーな「Eighteen」。きらびやかなシンセサイザーと、ヘザーの澄んだ声が会場中に響き渡り、詰めかけたオーディエンスの心をグッと掴んでいく。デビュー・アルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』のリリース直前というタイミングで行われた昨年のステージと比べ、今回は本人たちもどこかリラックスした様子だ。「戻ってこられて嬉しい! 東京、みんな調子どう!?」とヘザーが再会の喜びを言葉にすると、「Television Romance」や「The Tide」といったアッパーな楽曲を畳み掛ける。ダーク/ゴスのイメージが先行しがちな彼女たちだが、ナイーヴさの隙間からとめどなく溢れ出すポップネスからは、むしろ眩いほどのフレッシュさやパワーが感じられた。
 
中盤では「OK。それじゃ、今からはサッドになる時間よ。良い曲って、大抵悲しい曲なものよ(笑)」というMCに続いて「My Obsession」などのセンチメンタルな楽曲を披露。「Let’s F**kin’ Dance!」の掛け声と共にハンドマイク片手に左右に揺れながら踊り歌うヘザーの姿は、さながらポップ・スターのよう。しかし、不機嫌な気持ちを隠さない実直さが愛おしい「Noise」を歌う前には、「この曲は最悪の気分の時に書いたの。一度でもそう思ったことがある人なら、きっと好きになってくれると思う」と解説。シーンでの成功やめまぐるしい環境の変化を経てもなお、彼女たちがルーザー(負け犬)の視点を忘れていないことが嬉しかったし、だからこそ世界中のキッズの心を捉えて離さないのかもしれない。
 
ラストの「There’s a Honey」では、ヘザー自らフォトピットに降りてファンと交流。その堂々とした姿には、この日MARIN STAGEに出演したレーベルメイトにして先輩のマシュー・ヒーリー(The 1975)にも迫るカリスマ性が宿っていた。ティーンの憂鬱な日常を切り取った第一章を経て、次は我々にどんな景色を見せてくれるのか、実に楽しみである。

 
●Set List

1. EIGHTEEN
2. TELEVISION ROMANCE
3. THE TIDE
4 . RED
5. MY OBSESSION
6. KISS
7. DRIVE
8. CAME IN CLOSE
9. NOISES
10. ONE MORE TIME
11. THERE’S A HONEY

 

(Text by Ayaka Takei)