SONIC REVIEW vol.5 『東京20日(大阪19日)のSONIC STAGE』

サマーソニック2017はどのステージにもそれぞれにテーマがあるが、中でもとりわけステージの傾向、キャラクターがはっきりしているのが東京20日(大阪19日)のSONIC STAGEであるのは間違いない。この日のSONICのテーマはずばりパンク!2000年にスタートしたサマソニにとって、2000年代に爆発したポップ・パンク、エモのムーヴメントは常に大きなテーマのひとつであり、毎年必ずパンク、エモ系のアクトが出演を果たしてきたが、それがここまでぎゅっと凝縮されたパンク・ステージは近年久々なんじゃないだろうか。

パンク祭りと化したSONIC STAGEの大トリを飾るのがSUM 41だというのは、上記のサマソニとポップ・パンク、エモの強い結びつきを象徴するブッキングだと言えるだろう。2003年の初エントリーを皮切りに、過去4回もの出演を果たしているSUM 41は、まさに「サマソニとパンク」を象徴するアクトなのだ。
SUM 41の2003年の初登場はポップ・パンクの超名盤『ダズ・ディス・ルック・インフェクテッド?』(2002)を引っさげての伝説のステージとなった。

Sum 41 – Still Waiting

過去数年、スティーヴ(Dr)の脱退やデリックのアルコール依存症などで波乱含みだった彼らは、昨年5年ぶりの新作『13ヴォイシズ』(2016)をリリースし、彼ら自身の王道にがっつり立ち返った力強い新フェーズは昨年のPUNKSPRINGで既に証明済。今回のサマソニは言わば凱旋のステージなのだ!

Sum 41 – Fake My Own Death (Official Music Video)

そんなSUM 41同様に、昨年6年ぶりの新作『ユース・オーソリティー』と共に大復活を遂げたのがグッド・シャーロットだ。SUM 41とグッド・シャーロットは2000年代のポップ・パンクを牽引した2トップ・バンドであり、そんな彼らが2010年代前半に同じように苦境を味わい、そして2010年代後半に共に復活を果たした、そのドラマティックなストーリーが、まさにここサマソニでも再現されようとしている。
一瞬であの時代が蘇る!グッシャーの必殺の一曲と言えばやはりこれ。

Good Charlotte – The Anthem

グッド・シャーロットとSUM 41の久々の復活作に共通しているのは、復活までの苦闘や挫折をダークな音に反映するのではなく、あくまで晴れやかで力強い、ポジティヴなサウンドへと昇華させていることだ。これでこそポップ・パンクの王者の風格!

Good Charlotte – 40 oz. Dream (Official Video)

ポップ・パンクの2トップを戴くこの日のSONICは、SUM41やグッド・シャーロットのルーツと呼ぶべきメロディック・ハードコアのベテラン、ペニーワイズによってさらにパンク・ステージとしての重みと厚みが生み出されている。オフスプリングやNOFXらと共にUSパンクの超名門エピタフを代表する顔として、25年以上のキャリアを築き上げてきた彼らは、こちらもサマソニ恒例の「レジェンド」枠に相応しいアクトと言えそう。

Pennywise – “Fuck Authority”

ドライヴスルー、エピタフ、そしてホープレス・レコーズとUSパンクの王道を歩んできたのがニュー・ファウンド・グローリーだ。結成20年とベテランの域に差し掛かりつつある彼らだが、今年リリースのニュー・アルバム『メイクス・ミー・シック』では、こちらもSUM 41の新作同様に、まっったくブレないアドレナリン全開のポップ・パンクが炸裂!

New Found Glory – Party On Apocalypse (Official Music Video)

そしてこの日のSONIC STAGEで要注目のニューカマーがSWMRS。なんとグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングの息子、ジョーイ・アームストロング(Dr)のバンドである。映画『スクール・オブ・ロック』を観てバンドを始めたというエピソードも最高だが、SWMRS名義での初アルバム『Drive North』は目下成長中のタフな骨組みの一方で、たっぷりのコーラスとキャッチーなメロディはすでに満載で大物の片鱗をひしひしと感じさせる。グリーン・デイと同世代と言っていいペニーワイズからグリーン・デイの文字通り息子であるSWMRSまで、まさにメロディック・パンクの歴史とファミリー・ツリーを辿れてしまうのがこの日のSONICの醍醐味!

SWMRS – Figuring It Out (Official Music Video)

そんな超強力な海外勢の布陣に対し、日本のメロディック・パンク・シーンを牽引するTOTALFATをはじめ、Fear, and Loathing in Las Vegas、BLUE ENCOUNTと迎え撃つ日本勢も負けてはいない。一日中パンクを浴びまくることができる、「サマソニ内PUNKSPRING」とでも呼ぶべき東京20日のSONIC STAGE。ぜひ気力体力万全で臨んでほしい。

Fear, and Loathing in Las Vegas / Return to Zero
BLUE ENCOUNT 『HEART』
TOTALFAT – ONE FOR THE DREAMS(MV)
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