SONIC REVIEW vol.14 『サマソニ深夜は今年もアツい!HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER!』

サマーソニックの東京2日間をまたぐ20日(土)の深夜、ミッドナイトソニックにて今年もオールナイトイベント「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」が開催される。
今年で2回目となる「HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER」(以下HCAN)は、レディオヘッドのトム・ヨークのキャリア初となるソロ来日を果たし、DJセットという名目でほぼライヴ・セットな白熱のステージを繰り広げた昨年で早くも証明されたように、サマソニの深夜枠により明確なカラーと役割を与えたイベントだ。深夜ならではのディープでドープなプレイの数々に加え、アーティストたちの「もうひとつの顔」が見られるのがHCAなのだ。

Dinosaur Jr. – Tiny (Official Video)

そんなHCAの今年のヘッドライナーを務めるのはダイナソーJr.とアニマル・コレクティヴの二組。ダイナソーJr.はサマソニ直前の8月5日に4年ぶりの新作『Give a Glimpse of What Yer Not』をリリース予定、HCAはまさに絶好のタイミングでの新作ショウとなる。昨年のトム・ヨークにしてもそうだけれど、キャリア25年強のベテランにして過去に何度も来日をしているダイナソーJr.のようなバンドが、「夜更けの日本」という未知のシチュエーションに臨むのを目撃できるというのは貴重な体験だと思う。
もう一組のヘッドライナーは今年2月に新作『ペインティング・ウィズ』をリリースしたアニマル・コレクティヴ。『ペインティング・ウィズ』は過去のアルバムと比べても最も考えつくして作った作品であり、それをいかに何も考えずに、ひらめきによって鳴らされているかのように響かせることをテーマにしたというだけに、HCAの特別なムードの中でまさにそれが解放され、実現される瞬間を待ち望みたい。

Animal Collective – FloriDada (Official Video)

そんなアニマル・コレクティヴと共に2000年代以降のUSオルタナティヴ&エクスペリメンタル・シーンを牽引してきたディアハンターは、昨年HCAのキャンセルのリベンジマッチとなるステージだ。彼らのサイケデリック・サウンドがミッドナイト・ステージと相性がいいのは当然で、それが身も心もブッ飛ぶ体験になることは必至だ。
サイケデリックと言えば異色のUKサイケ新人としてデビューしたテンプルズも見逃せない。2014年の『サン・ストラクチャーズ』に続くセカンドの完成が待たれる彼らだが、HCAは新たなサイケデリック・フラワーが花開く前哨戦としてのステージになりそう。
そして今年1月リリースのセカンド『アドア・ライフ』も大絶賛されたサヴェージズもHCA初登場。強圧テンションのライヴには定評があるサヴェージズたちだが、彼女たちの漆黒のニューウェイヴ&ハードコア・サウンドはHCAにずっぱまりだろう。

Deerhunter Performs ‘Living My Life’
Temples – Shelter Song (Live)
Savages – Sad Person – Later… with Jools Holland – BBC Two

今年のHCAはシンガー・ソングライター勢も見逃せない。まず注目なのがアウスゲイル。フジロックを含む過去3回の来日で、シガー・ロスを生んだアイスランドの新たな驚異であることをその声で証明した彼が、深夜の幕張を震わせるだろう光景は、フジの野外で木霊していったそれとは全く異質で凝縮されたものになるはずだ。
そんなアウスゲイルの『イン・ザ・サイレンス』の英詞を手掛け、彼の英米でのブレイクの礎を築いたのがジョン・グランド。ザ・サーズの解散後、SSWとして着実に実績を重ね、全英5位を記録した『グレイ・ティックルズ、ブラック・プレッシャー』で日本デビューも果たした彼、4月の初来日を見逃した人もアウスゲイルと共にグランドを体験できる今回はチャンスだ。。
そして最後に、昨年HCAに出演したマシュー・ハーバートが、今年はHCA初のレジデントDJとして再エントリー。このレジデント制によって、HCAはさらに確固たるミッドナイト・パーティの枠組みを強化していくはずだ。

Ásgeir – King and Cross
John Grant – Down Here (Official Video)

タイムテーブルの発表ももう間もなく、体力&眠気と相談しつつスケジュールを貪欲に探り、一期一会の刺激的な深夜を過ごして欲しい。