SONIC REVIEW vol.11 『チェックするべきニューカマー(ポップ・アクト系)』

サマーソニック2016で必ずチェックするべきニューカマー、前回のギター・ロック編に続いて今回はポップ・アクト系のアクトをまとめてご紹介!

今年のサマソニのポップ系新人は、既に本国ではブレイクを果たしている「最新ポップ・スター」と呼ぶべきアーティストが複数エントリーしている豪華さが特徴だ。
まずその筆頭と言えるのが、東京20日(土)のMountain Stageに登場するチャーリー・プース。大ヒット映画『ワイルドスピード スカイ・ミッション』のサントラ・シングルにして全米12週1位を記録したウィズ・カリファの“See You Again”にゲスト・ヴォーカルとして参加し、一躍時の人となった彼。メーガン・トレーナーとのコラボも話題の“Marvin Gaye”他ヒット・チューンを収録したデビュー・アルバム『ナイン・トラック・マインド』と共に、今年いよいよ日本への本格進出を果たす。
ちなみに昨年秋には「SMAP×SMAP」への出演も果たすなど、先行してお茶の間への露出はあったものの、ライヴ出演としては今回のサマソニが初。ルックスの良さも含めてジャスティン・ビーバーのポストも狙えるポジションにいるチャーリーだが、マルーン5のような良質R&Bポップ・アクトとしても、また、マーク・ロンソンのようなマルチ・プレイヤーとしての多様なポテンシャルも感じさせるのが彼の強み。
フル・ライヴ・セットがどうなるかは未知数だが、オフスプリングやパニック!アット・ザ・ディスコがエントリーし、白熱のパンク&ラウドポップ祭りも予想される東京土曜のMountainでどんな存在感を示せるのか注目したい。

Wiz Khalifa – See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack
Charlie Puth – One Call Away [Official Video]

そんなチャーリー・プース同様に、まっさらなニュー・カマーと言うよりもむしろ「ついに日本上陸!」となるのが東京21日(日)のMarine Stageに登場するエル・キングだ。本国アメリカでは大物コメディアン&俳優のロブ・シュナイダーの娘としても知られる彼女だが、10代の頃に女優として活動したこともあったものの、ミュージシャン転向後は親の七光りからはほど遠い状態で地道にキャリアを積んできた実力派だ。
そんな彼女の転機となったのが2014年にリリースされたシングル “Ex’s & Oh’s” 。この曲がじわじわと話題を呼び、結果ビルボードTOP10入りを記録。翌2015年にはデビュー・アルバム『Love Stuff』をリリース、こちらもTOP10入りのヒットとなっている。
エル・キングの強みは自身も楽器を弾くミュージシャン気質の強さで、そこが現在のディーヴァ・ブームの中で彼女が一線を画す存在となっている所以だ。エイミー・ワインハウスやジャニス・ジョプリンを彷彿させるソウルフルでハスキーな歌声と、R&B以外にガレージやブルース、カントリーの要素も取り入れたカラフルなサウンドのミクスチャーをぜひ堪能してほしい。ここではそんな彼女の魅力がぐっと凝縮された2曲をご紹介。

Elle King – Ex’s & Oh’s
Elle King – America’s Sweetheart

チャーリー・プースとエル・キングがポップ・スター街道を行くニューカマーだとしたら、ここからご紹介する数組は、カッティング・エッジな才能をいち早く紹介してきたサマソニならではの旬のニューカマーたちだ。
まずは東京21日(日)のMountain Stageに登場するデンマーク出身のフィーメールSSW、MØ(ムー)だ。ディプロやアヴィーチーとのコラボでも注目を集めた彼女のサウンドは、まさにこの2016年の空気を凝縮したかのような「今」のエレクトロ・ポップ。このまま一気にオーバーグラウンドに行きそうなキレッキレのセンスの良さはポスト・グライムスとの呼び声も高い。その一方で、たとえばヤー・ヤー・ヤーズがデビューした頃の2000年代初頭のNYニューウェイヴ・リヴァイヴァルに近い、アンダーグラウンドの匂いも感じるのが彼女の魅力だ。

MØ – Final Song (Official Video)

同日同ステージに出演するノルウェー出身のカシミア・キャットもまた、そんなMØ同様にアップ・トゥ・デートな才能を閃かすニューカマー。DJ出身でプロデューサーとしても活躍、アリアナ・グランデのトラック・メイカーとしても知られる彼は、そのマルチな活動の中でメロディ際立つエレクトロR&Bのポップネスを洗練させていったアーティストだ。昨年には単独で初来日を果たしている彼だが、今回のサマソニ初出演で、クラブ・シーンでの活動を超えたポップ・アクトとしての実力を試されることになりそう。
MØやカシミア・キャットは、アレッソやマーク・ロンソンを筆頭に刷新され続けるエレクトロ・ポップのダイナミズムが感じられる、今年のサマソニの一側面を象徴するニューカマーと言えるかも。

Cashmere Cat – Mirror Maru

そして最後にご紹介するのが、パリス&アンバーのストローザー姉妹とアニータ・バイアスによって結成されたソウル・ユニット、キング。2011年のEPデビュー以来、早耳リスナーやプロフェッショナル陣から注目され続け、これまでにロバート・グラスパー・エクスペリメントやケンドリック・ラマーともコラボし、エリカ・バドゥやナイル・ロジャースがその才能を絶賛、かのプリンスが生前自身のライヴのオープニング・アクトに抜擢したことも(ちなみに彼女たちもプリンス同様ミネアポリス出身)。
そんな彼女たちは今年満を持してデビュー・アルバム『ウィー・アー・キング』をリリース、今年5月の初来日公演をソールドアウトさせた。R&Bは今やポップ・ミュージックの必須エッセンスとなっていて、様々にアレンジされ、ミックスされ、進化し続けているジャンルだが、そんな2010年代にあってキングは、コーラス・グループの王道にしてR&Bのハイ・クオリティなベーシックを示す貴重な存在と言えるかも。東京21日(日)のSonic Stageに登場する彼女たち、同日のフローライダーやジャクソンズ目当ての方にもぜひチェックしてほしい逸材です。
というわけで彼女たちの素晴らしいスタジオ・セッションをご覧あれ。

KING Performs “Hey” | GRAMMYs