SONIC REVIEW vol.10 『サマソニで注目のロック・シーンの新星をチェック!』

ウルフ・アリスやナッシング・バット・シーヴスら、有望新人が多数エントリーした昨年に引き続き、今年のサマーソニックもここで必ずチェックしておくべき初来日のニューカマーが目白押し! 特に今年はギター・バンドからポップ・アクトまで、才能のバラエティに富んでいるのが特徴だ。
まず今週はロック、ギター・バンド系の強力新人をピックアップしてみよう。

Blossoms – At Most A Kiss
Blossoms – Getaway – Later… with Jools Holland – BBC Two

最初にご紹介するのは東京21日(日)のSONIC STAGEに出演するブロッサムズ。BBCが期待の新人を選出する毎年恒例のリスト「Sound Of 2016」で4位入賞(ギター・バンドとしては最高位)を果たし、最新EPがアデルを抜いて英iTunesチャートで1位を記録するなど、8月のアルバム・デビューを控えて今UKで最も注目されている新人と呼んでも過言ではない彼ら。ブロッサムズの武器はマンチェスター出身ならではの強力グルーヴとドリーミーなサイケデリック、そしてインディ・ギター離れした異様にウェルメイドなポップ・センスだ。サマソニはアルバム・デビュー直後のまさに絶好のタイミングでの初来日となる。

Sunflower Bean – “Wall Watcher” (Official Video)
Sunflower Bean – “Easier Said” (Live at WFUV)

そんなブロッサムズが今年のUK新人の目玉だとすると、同日同ステージに出演するこのサンフラワー・ビーンは、US新人の最注目株。NYブルックリン出身の3ピースである彼女たちのサウンドは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドと80年代ニューウェイヴ、そしてそこに2010年代のドリーム・ポップを折衷したかのような、懐かしいのに同時にどこまでも「今」が香るギター・ポップ。今年3月にはデビュー・アルバム『ヒューマン・セレモニー』をリリースし、高い評価を集めている。

RAT BOY – MOVE

https://youtu.be/

RAT BOY AT READING AND LEEDS FESTIVAL

ブロッサムズやサンフラワー・ビーンのウェルメイドなポップ・センスと比較すると、東京20日(土)のMountain Stageに登場するラット・ボーイはパンクの衝動漲るガジェット感覚が魅力で、スタンス的には昨年のサマソニで異彩を放っていたスレイヴス(今年も再上陸!)に近いものを感じる。弱冠20歳のジョーダン・カーディのソロ・プロジェクトであるラット・ボーイは、初期ベックとビースティ・ボーイズを乱暴にマッシュアップしたかのようなヒップホップ、ミクスチャー・センスが光る逸材だ。

The Struts – Could Have Been Me
The Struts – Kiss This

そしてラット・ボーイと同日同ステージに登場するのがザ・ストラッツ。70Sグラム・ロックの匂いがぷんぷん漂うそのヴィジュアルも強烈な彼らの武器はまさにグラマラスでポップなロックンロールだ。80Sアメリカン・ロックのベタなメロディとダイナミズムも兼ね備えたそのサウンドはUK新人としては珍しくアメリカ進出も射程圏に捕らえたもので、今後の飛躍に期待が持てる。もちろん、世界で最初にクイーンを評価したここ日本のオーディエンスとの相性もばっちりだろう。

The Mirror Trap – New Trance (Official Video)
PVRIS – My House (Official Music Video)
Black Honey – All My Pride (Live) – Vevo @ The Great Escape 2016

この他にも今年は本当にキラ星のごときロック新人が勢揃いしている。スコットランド出身のザ・ミラー・トラップ(東京21日Rainbow Stage)は、ガレージやニューウェイヴの血を受け継ぐ正当派UKギターに、グランジやヘヴィ・ロックといったUSオルタナのDNAも内包した異色新人で、そのポテンシャルはナッシング・バット・シーヴスに近いものも感じる。
また、前述のサンフラワー・ビーンを筆頭に今年の新人は「ガール・パワー」がひとつのポイントになっていて、ポスト・パラモアの呼び声も高いパリス(PVRIS)や、ウルフ・アリスとも比較して騙られるブラック・ハニーも見逃せないアクトだ。