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SONIC YOUTH

伝説を作り、疾走し続けるソニック・ユースの凄さ

 サマーソニックが世代やジャンルを超えたアーティストが勢揃いする世界的フェスに成長した今こそ、絶対に見ておきたいバンドがある。それはソニック・ユース。ベックが、「10代の頃、当時活動していたバンドだったら、ソニック・ユースが友達との間で憧れの存在だった。物凄く尊敬していたんだ」と話すほどで、この他にも、ニルヴァーナやダイナソーJr.、最近ではフランツ・フェルディナンド、ブロック・パーティなど世界中の多くのミュージシャンに多大な影響を与えてきた伝説的バンドだ。

 30年近い活動の中で、常に挑戦的な姿勢でロックと向き合ってきたのは、結成のきっかけが実験音楽家グレン・ブランカのグループでメンバーが知り合ったからだ。サーストン・ムーア(Vo&G)とキム・ゴードン(B)、リー・ラナルド(G)によって1981年にNYで結成されたソニック・ユースは、当初からギターのノイズを爆音させていく初期衝動に駆られたノイズパンクや実験的なサウンドを演奏していく。そして80年代初頭からインディーズ・シーンで注目を浴び、5枚目のアルバム『デイドリーム・ネイション』(1988年)を機にアンダーグラウンドシーンからメジャーへと進出、グランジ/オルタナティヴ・ロック黄金時代を代表するバンドへと成長する。とはいっても、どんなに成功しても、決して同じスタイルやイメージに囚われることを嫌い、新たな音楽の可能性を追求し続ける。シカゴ音響派のジム・オルークが参加していた時期もあったほどだ(02~05年)。

 メジャーでの活動が成功していく一方で、自主レーベルからの実験的なEP作品を発表したり、他のアーティストとのコラボ作品やソロ作品なども数多くリリース。たとえばその枠組みを超えたフリーキーな音楽への挑戦は、公開されたばかりの映画『NOISE』で披露された、2人ずつ2組のユニットに分かれて行われた想像を絶するパフォーマンスからも感じることができる(この映画は、2005年にフランスで行われたアート・ロック・フェスティバルの模様を収めたもの)。また、ヴィジュアル・アート展を開いたり、キム・ゴードンがX-girlのデザインを手掛けるなどファッション分野でも多才に活躍している。

 サマーソニック09直前の6月に、嬉しいことバンドにとって通算16作目となる『ジ・エターナル』を発表。このアルバム、原点回帰作として絶賛された前作『ラザー・リップド』(2006年)で共同プロデュースを担っていたジョン・アグネロと再び組んでいるうえに、今回からバンドがインディーズ界に復帰したこともあり、これまで以上に破壊力を持ったサウンドを展開している。そしてさらに注目すべきは、中心人物であり良きパートナーでもあるサーストン・ムーアとキム・ゴードンがデュエットした楽曲を初めて収録、また、ここ数年ツアー・メンバーとして参加していたマーク・イボルド(元ペイヴメント)がアルバム制作に初参加。もう、万全の体制で来日するのだ。

(伊藤 なつみ)