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PAOLO NUTINI

 ロックフェスというものは、好きなアーティストのパフォーマンスを観て盛り上がるのはもちろん、これまで知らなかった(もしくはあまり聴いていなかった)アーティストの魅力を発見することができることも醍醐味のひとつである。昨年のサマソニにおいても、さまざまな新しい才能に出会えて充実したものだったが、そのなかでも特に印象的(サプライズ)だったのが、パオロ・ヌティーニのステージだった。
 実は、デビュー盤をチラ聴きしただけで、彼の音楽に対して<ちょっとセンチメンタルな音楽を作るイケメン男子>というイメージ(偏見)しか持っていなかった筆者。ゆえにパフォーマンスに関しては知り合いと、酒を片手にくだらない話をしながら、まったりと聴きましょう的なノリで臨んでいて、ぶっちゃけあまり期待していなかった。しかし奏でる音を聴いた瞬間、そんな思惑を平手打ちされたような衝撃がカラダを駆け抜けたのだ。抱いていた繊細なイメージとは180°異なる、50~60年代ニューオーリンズのジャズやブルースを思わせるソウルフルでビッグなバンド・セッションを繰り広げた彼。最初は、他のアーティストと間違えたか?と思ったほどだ。その後も、ライヴ映えのするスウィンギンでエキサイティングなパフォーマンスを繰り広げていて、(フェスの必需品である)ビールを飲むのを忘れたほど、見入ってしまっていた。結果、これから面白いことをやってくれそうなアーティストになると、自分のなかでの注目度が急上昇していったのだ。実際、彼のパフォーマンスをベスト・アクトを評した人が、たくさんいたと記憶している。
 そんなパオロが、昨年に続きサマソニのステージに戻ってくる。7月にリリースされたばかりの最新作『サニー・サイド・アップ』を携えてのステージ。新作では、去年感じたあのスウィンギンなグルーヴをより洗練させたスタイルで響かせていて、現在22歳とは思えないほどの熟練したプレイを響かせている彼。すでにイギリスでは大絶賛の嵐で、アルバムはチャート1位を獲得し、出演したグラストンベリー・フェスティバルにおいても満杯のオーディエンスを熱狂させたという。
 日本においても、去年のあの現場を体感した人のウワサがウワサを呼んで、今回はかなりの盛り上がりになることは確実だ!彼のステージは、どんな音楽リスナーも楽しめるサウンドが満載。理屈じゃなく、音楽って放たれるグルーヴに身を任せたらそれだけでいい、っていうごくシンプルな感覚を呼び覚ましてくれるライヴになるはずだ。別に最前列で騒がなくてもいいので(もちろん騒ぐのはアリだが)、足を運んでみてほしい。必ずや満足のいくステージになることを、勝手に本人に成り代わりお約束します!

(松永 尚久)