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MUTEMATH

 昨年度のサマーソニックで観たステージのなかでも、いちばん鮮烈だったというか、「期待はしていたけども、ここまですごいバンドだったとは!」的な驚きをもたらしてくれたのがMUTEMATHだった。ミュートマスというカタカナ表記にすると妙に可愛らしくなってしまうので、勝手ながら欧文表記にさせていただくことにするが、そんなことはともかく、この刺激的規格外バンドが早くも帰還を果たす。正直、まさか2年連続参戦が実現するとは思っていなかったが、それも当然、前回のライヴが支持と評価を集めたからこそだろう。これはもう、単純に嬉しい!

 彼らのデビュー・アルバム、『MUTEMATH』が日本で正式発売に至ったのは昨年1月のことだ。が、アメリカではそれよりもずっと前にリリースされていて、それが正確にいつのことだったかという記憶は定かじゃないが、僕自身、輸入盤を“なんとなくジャケ買い”したことをおぼえている。で、その直後、打率のさほど高くない僕のジャケ買いがこのときに限っては大正解だったことが判明し、さらに少し時間を経て、このアルバムの収録曲、「TYPICAL」のビデオ・クリップを目にする機会があり、そこで「なんじゃこりゃあああ!」になったわけである。見たことがある人にはわかるだろうけども、このビデオは「明らかに逆回転映像なんだけども、見れば見るほどそれが信じがたくなる」もの。グラミー賞にもベスト・ビデオ部門でノミネートされたというのが頷ける、というか逆に、結果的に受賞を逸したのが信じられない作品だ。今からでも遅くないから、是非チェックしてみて欲しい。

 とにかくこのMUTEMATH、曲のタイトルとは真逆で、音楽も映像も、ちっともティピカルじゃない。そしてもちろんライヴ・パフォーマンスも。昨年夏も、めちゃくちゃ高水準な演奏を繰り広げつつ、「曲をプレイしながらメンバーたちがパート・チェンジする」というサーカスまがいの芸当を披露していた。楽器も人間も宙を舞うかのようなそのさまは、ちょっと大袈裟に言えば、異次元的無重力ライヴ。嫌味なくテクニカルで、涼しい顔でトンデモないことをやってのける4人が発するものに、僕の目と耳は釘付けになった。

 そしてもちろん、楽曲そのものが提供してくれる宇宙的な広がりが素晴らしい。それを今年も味わうことができるなんて、これはもう素直に喜ぶしかない。さらに来日直前にあたる8月5日には、『ARMISTICE』と題されたニュー・アルバムがリリースされることも決まっている。しかも今回は全米に先駆けての日本先行発売! しっかりと短期間集中予習を済ませて当日に臨みたいところだ。

 ところでMUTEMATHさんに、個人的にお願いしたいことがひとつ。昨年、あまりにもライヴが素晴らしかったのでイキオイでTシャツを購入したものの、どちらかといえばコワモテ系でLサイズの僕がそのライトブルーのピチTを着ると、とんでもなくアヤシい感じになってしまうため、以降、必然的にたんすの肥やしになってしまっている。今年は僕みたいなのにも似合うTシャツが用意されていることを望みます。お願いします!

(増田 勇一)