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LIMP BIZKIT

LIMP BIZKITが帰ってくる。しかもオリジナル・ラインナップで。つまりフレッド・ダースト(vo)の横には間違いなくウェス・ボーランド(g)が居るということ。これに興奮するなというのは、無理な注文だとしか言いようがない。

このバンドの過去の実績だとか、彼ら自身が歩んできたストーリーについては改めて説明する必要もないだろう。なにしろ最初の3作品の売上げ総計はアメリカだけでも2,000万枚を超え、さらに世界各国での数字を加算すると3,300万枚にも達するほどなのだから。もちろん数字がすべてじゃないが、彼らはまさに“時代”を創ったバンド。ちなみにデビュー作『Three Dollar Bill, Yall$』(1997年)の日本盤に当時冠せられていたキャッチ・コピーは「アメリカン・モダン・ヘヴィネスの切り札」。まるで掟破りを楽しむようにジャンルの壁を超越しながら体現された文字通りのミクスチャー・ミュージックは、このバンドならではのエンターテインメント性やスキャンダラスさとも相まって、まさに世を席捲することになった。

そんなLIMP BIZKITが音楽シーンの表舞台から姿を消してからすでに久しいが、なんと今年の2月、オリジナル・メンバー再集結による活動再開を宣言。フレッドとウェスは共同声明のなかで「いまどきのヘヴィ・ミュージックにはウンザリしている」というトゲありまくりの発言をするとともに、「お互いしばらく別々の道を歩んできたなかで、自分たちが他のどこを探しても見つけることのできないユニークなエネルギーを持ったバンドだったことに気付かされた」と、約8年ぶりとなる再合体を決意した動機を述べている。

しかし、乱暴なことを言えば動機や経緯はどうでもいい。とにかく重要なのは、現在のLIMP BIZKITのライヴがとてつもなく楽しいということだ。実は筆者は去る6月上旬、ヨーロッパ各地のフェスを転戦中だった彼らの最新ステージを目撃しているのだが、そこでの彼らの横綱相撲は本当に見事と言うしかないものだった。かつての彼らに深い思い入れを抱く人たちに「そうそう、LIMP BIZKITはこうでなくちゃ!」と吐かせ、さらには彼らが不在の時代に目ざめた新世代ファンにも「このバンドはやっぱり他の誰とも違う!」と確信させ得るライヴ。現在の彼らが提供してくれるのは、まさにそれなのだ。日本でもきっと、“みんなが聴きたい曲”はひとつ残らず披露してくれるだろうし、常識からかけ離れた次元で変身を重ねているウェスがいかなる風貌でステージに登場してくれるかも楽しみなところだ。参考までに欧州での彼は、ある日はオバケのQ太郎を連想させる白塗りメイク、またある日は、槍を片手に襲い掛かってきそうな危ない種族風のいでたちだった。さらに、減量に成功したとおぼしきフレッドが、妙なくらい若返っていた事実も付け加えておきたい。

実はこのラインナップでの新譜レコーディングも計画しているというLIMP BIZKIT。灼熱のサマソニで彼ら自身が得ることになる刺激も、当然その新作に反映されることになる。そんなふうに考えれば考えるほど、やっぱり興奮せずにはいられない。

(増田 勇一)