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PARAMORE

 日本での“ブレイク前夜”とでも言えばいいのだろうか。たとえば武道館を制し、今年のサマソニでは堂々ヘッドライナーを務めるマイ・ケミカル・ロマンスのような、あるいは、今年2月に行われたジャパン・ツアーにて、東名阪全4公演を速攻で完全ソールド・アウトにしたフォール・アウト・ボーイのような、大きな飛躍を遂げそうな新鋭としてもっとも注目したいのが、紅一点ヘイリー・ウィリアムス率いるパラモアだ。
 サントラも含めて空前のヒットを記録している、映画『トワイライト~初恋~』のテーマ・ソングを歌っていることで、日本でのパラモアの知名度、注目度は格段にアップしたかと思うのだけれど、まだまだ、「髪の色が派手な、ちっちゃくてキュートな女の子がヴォーカルをやっているバンド」というような、ヴィジュアル・イメージが先行しているのが実情かもしれない。しかしパラモアは本質的に、ガールズ・バンド、あるいは女性ヴォーカルを擁するバンドのイメージを塗り替えるようなバンドだと思う。
 そもそもパラモアは、ありがちな、ポッと出のグッド・ルッキングな新鋭などではない。地道にライヴを重ねてファン・ベースを築き上げ、実力でアメリカの新世代ロックを代表する存在となった、DIY精神あふれるライヴ・バンドであり、デビューのきっかけも、今をときめく優良レーベル“フュエルド・バイ・ラーメン”の社長が、ライヴを目撃して一目惚れしたことだった。
 そのライヴを観れば、フロントのヘイリー・ウィリアムスが、っていうかバンド自体が、ヘイリーの女性性のようなものをまったくアピール材料にしようとしていないことは歴然。そして何より、バンドとしてのパフォーマンスが素晴らしい。若いのにと言っちゃ失礼だけど、演奏は骨格がしっかりしていて、繊細さとダイナミックさのバランスが絶妙だし、ヘイリーのヴォーカルも、これも男勝りとか言ったら失礼だけど、あまたの草食系(?)男子パンク/エモ・バンドも真っ青っていうくらい、パワフルでアグレッシヴでエモーショナル。
 また、『トワイライト~初恋~』テーマの「ディコード」では、映画とシンクロする幻想的でメランコリックな世界を見事に表現してみせるなど、これまた若さに似合わないほどの高いソングライティング・スキルを持っていることも、このバンドの大きな強みと言えるだろう。
 2007年に行われた初の単独来日公演(@渋谷O-EAST)でも、そのポテンシャルの圧倒的な高さを充分に伝えていたパラモアだけれど、今回の会場は千葉マリンスタジアム。日本での本格ブレイクのきっかけとして、これ以上ない最高の舞台ではありませんか!

(鈴木 宏和)