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GOGOL BORDELLO

 このバンドに関しては、ついつい鼻息が荒くなってしまうし、声を大にして言いたいことがあるのだけれど、まずは簡単にご紹介を。
 ゴーゴル・ボルデロ。ウクライナ出身で、同国初のロック・ギタリストを父に、タップ・ダンサー/シンガーを母に持つヴォーカリスト、ユージン・ハッツがニューヨークで結成した、多国籍、多民族、多文化の大所帯ジプシー・パンク・バンドである。
 もしかしたら、ユージン・ハッツという名前でピンときた人も少なくないのではないだろうか。そう、今年初頭に日本でも公開されて話題を呼んだ、マドンナの初監督映画『ワンダーラスト』で、ユージンは主役に抜擢されている。なんでも、マドンナはかねてから彼の大ファンだったそうで、ライヴにも何度も足を運んでいるのだとか。
 そしてこのユージン・ハッツという男、バックボーンがスゴい。14歳にして、あのチェルノブイリ原発事故によって祖国を離れることを余儀なくされた彼は、以降7年間にもわたって、ポーランドやハンガリー、オーストリア、イタリアなど、ヨーロッパ各地の難民キャンプを転々としていたというのだ。そして1990年代前半に、難民移住プログラムを利用して、一家でアメリカのバーモント州に移住。その数年後、今度はニューヨークに移住して、そこで出会ったロシア人やイスラエル人などのメンバーと、1999年にゴーゴル・ボルデロを結成したのだった。
 で、声を大にして言いたいのは、ひと言、絶対ライヴ観て!ってこと。ブッ飛びます。鳥肌モノです。失禁モノです。おっと失敬。でもほんと、そのくらいの衝撃度、興奮度であることは間違いないので、だまされたと思って観てみてほしい。
 ゴーゴル・ボルデロは去年の夏にも来日していて、僕は正直、半ば興味本位でライヴを観たのだけれど、これがもう大変。1曲目が終わった時には、ひとりでヘラヘラ、ニタニタと笑いこけてしまっていた。いや、あまりの興奮と高揚で感情の回路が壊れ(!?)、無性におかしくなってしまったのだ。でも、ふと我に返って周囲を見渡すと、そこはまさに狂喜乱舞状態……というより、もう何でもありの乱痴気パーティと化していた。みんなあの血が沸騰するような怒涛のバンド・サウンドに、思い切りヤラれてしまっていたのだろう。
 ジプシー・パンクって、いったいなんなのよ? などと理屈で考えるのはやめにして、まずはライヴ体験といきましょう。そこで生身の体とハートで感じたものが、貴方にとってのジプシー・パンクなのです。

(鈴木 宏和)