• ラインナップ | 東京
  • ラインナップ | 大阪
  • Writers' Recommendations!!
TIMETABLE

Writers' Recommendations!!

IN CASE OF FIRE

 東京3日目のアイランド・ステージに登場するイン・ケイス・オブ・ファイアは、北アイルランド出身の3ピース・バンドで、今年6月にファースト・アルバム『アライン・ザ・プラネッツ』で日本デビューを果たしたばかり。マイスペースのサイトには「ロック/プログレッシヴ/オルタナティヴ」と書いてあるけれど、そのひとつひとつの持つ意味を最大限に引き伸ばしてもう一度ぎゅぎゅっと凝縮したような、密度の濃いサウンドだ。3ピースというシンプルな構成でストレートに届くロックを鳴らしている一方で、それと同時に実験的なサウンド・アレンジや曲構成でドラマチックな世界を作り上げていて、ミューズやマーズ・ヴォルタに影響を受けているというのにも強い説得力がある。通好みの変則性もありながら、一緒にツアーした経験もあるクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのような直球性もあって、フェスという未知のオーディエンスを前にする場で大きな吸引力を発揮するのではと期待させられる。

 メンバーのスティーヴン(Vo&G)とコリン(Ds)は兄弟で、そこにマーク(B)が加わって05年にバンドを結成、アルバム・デビュー前からフェス出演やサポート・アクトを含めたライヴ活動を精力的に重ねながら注目を集めていった。先行シングルをUKインディ・チャートの10位にランクインさせた後、満を持してリリースされた初アルバム(フー・ファイターズやストロークスなどを手掛けたギル・ノートンがプロデュース)はプレスからも高い評価を受け、ハード系の『ケラング!』誌のお気に入りになったのはもちろん、『Q』誌からも「北アイルランドから、アッシュの恐るべきデビュー以来最高の新人登場」と絶賛されている。

 そんな彼らだけに、もちろんライヴ・パフォーマンスの実力もお墨付き。今年もすでにダウンロード・フェスやグラストンベリーなどいくつものフェスのステージに立ってきているし、アルバム・リリース直後のタイミングにしても、最も脂の乗った状態でのベストなライヴを見せてくれることだろう。メンバー3人そろって全身黒に白の腕章というユニフォームは、音楽で革命を起こしたいという熱い意志の表れだそうで、歌詞に込められた深いメッセージも含めて、このバンドには揺るぎない硬派なかっこよさがある。アロハ・フロム☆ヘル待ちのキッズにもぜひとも体験してほしい。

(網田有紀子)